Exhibition 2018


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営業時間:11:00-19:00(日・月・祝祭日定休)

会場:NANZUKA [ ACCESS MAP ]

オープニングレセプション

    この度、NANZUKAは、佃弘樹の新作個展「199X」を開催致します。本展は、佃にとって4年ぶり4度目の当ギャラリーにおける個展となります。

    佃弘樹は、1978年香川県生まれ、武蔵野美術大学映像学科を卒業、以後東京を拠点に活動しているアーティストです。近年は、「HOUR OF EXCAVATION」(Neuer Aachener Kunstverein、アーヘン、ドイツ、2017)、「HIROKI TSUKUDA」(Galerie Gisela Capitain、ケルン、ドイツ、2017)、「Enter the O」(Petzel、ニューヨーク、2016)と精力的に個展を開催し、昨年発表した大作がニューヨーク近代美術館に収蔵されるなど、その国際的な評価を急速に高めてまいりました。

    佃の手描きの平面作品は、多くの場合、自身のドローイングやスナップショット写真の集積を組み合わせたデジタルコラージュを経由します。佃は、素材となるひとつひとつのイメージの色彩、上下左右の関係性、解像度といった項目を操作し、固定されたイメージを一度破壊する事から制作を始めます。こうした創作過程は、佃が影響を受けたという芸術家アンドレブルトンの提唱した「幻を視る力」の現代的な解釈に派生するという事ができるかもしれませんが、それは決して視覚的なトリックを意図したものではありません。佃は幼少期の頃より、自身の単元的な視覚を疑い、多元的な視覚認識の存在を信じることから、自ら「もうひとつの世界」と呼ぶ世界の存在を信じてきました。例えば、大自然の風景の中に突如として現れた巨大建築物、組み合わせによって違う形態に見える物体など、相対関係によって物事の意味が変わる事例は、佃の重要なインスピレーションとしてその脳内に記録されています。

    本展のタイトル「199X」は、特に佃が青春期に接した映画、漫画、小説に頻繁に登場した世紀末思想に起因します。例えば、映画「2001年宇宙の旅」(1968)や「マッドマックス」(1979-1985)、「ブレードランナー」(1982)、「ロボコップ」(1987-1990)、漫画「北斗の拳」(1983-1988)などで描かれた「事後の世界」は、少年佃の未来像に大きな影響を与え、それはやがてアーティスト佃の重要な原風景となりました。

    今回、佃は199X年に文明が滅んだと仮定した新世界を表現する事によって、世界が西と東に分かれ、核戦争という言葉が決して絵空事ではなかった時代の不安や絶望、あるいは反作用的に爆発的に沸き上がった様々なエネルギー、世紀末の高揚感や新世紀への期待といった当時の記憶と、2018年現在におけるAIの進化、SNSやVRの発展による仮想空間への依存、実際に身近(日本)で起きている放射能の問題など現代社会が抱える多くの問題や閉塞感を、対比的に俯瞰しようと試みています。

    今回の展覧会において、佃はこれまで発展させてきた日常品やファウンドオブジェクトを用いたインスタレーションと、インクペインティングの他に、新たに写真と即興で描き上げたドローイング、また記号的な幾何学模様をシルクスクリーンで印刷したアクリルフレームと組み合わせるという新たな手法にチャレンジしました。

    9月1日(土)18:00~20:00、アーティストを囲んで、オープニングレセプションを開催致します。本展を皆様にご高覧頂ければ幸いです。

    作家詳細はコチラ